アルコール性肝硬変とは〜原因や症状を知ろう

アルコール性肝硬変とは、アルコールを大量に摂取することでリスクが高まる、肝臓障害のひとつです。アルコールをとりすぎるとまずは脂肪肝になり、放置したまま飲酒をすることでアルコール性肝炎に進展することが多く、そして最終的にアルコール性肝硬変へと進行します。長年の炎症により肝細胞の壊死と再生が繰り返され、線維成分が増加し、肝臓が硬くてボコボコとした状態になった病態です。すぐに進行するわけではありませんが、気づいたときに禁酒をしないと進行は早まりますから、毎日飲酒している方は肝臓を休める日をつくっておくようにしましょう。

ちなみに、肝硬変の原因はアルコールだけだと思われがちですが、実はウィルス性肝炎感染によるものが90%(C型肝炎ウィルスが約70%、B型肝炎ウィルスが約20%)で、ウィルス性の慢性肝炎から進行したものだといわれています。アルコール性のものは、約5%にとどまります。アルコール性肝硬変になりやすいといわれているのは、日本酒で換算したときに1日5合以上のアルコールを10年以上飲み続けた場合です。これは男性の場合で、女性の場合はその2/3程度の量で肝硬変になるといわれています。

肝硬変の症状はさまざまですが、むくみ、男性の女性化乳房、腹水、黄疸、出血傾向のほか、肝臓がんが発生する場合もあります。肝硬変になっても、肝機能がある程度正常であればこのような症状がみられず、これは「代償性肝硬変」と呼ばれています。肝機能が低下し「非代償性肝硬変」になるとこのような症状が明らかになります。

治療法は、代償性か、非代償性かで異なります。まず、どちらの場合でも一番大切なのは、断酒をすることです。代償性肝硬変の場合は、一般の肝臓用薬やビタミン剤の服用、カロリーに配慮したバランスの良い食事などをすることで改善をはかります。非代償性肝硬変の場合は、腹水や肝性脳症などの症状を抑えるための対症療法が中心となります。最近では、肝移植も治療法のひとつとして取り入れられています。

アルコール性肝硬変の症状とは

長年に渡りアルコールを飲み続けていると、アルコール性の肝臓疾患になる可能性が非常に高いです。脂肪肝、アルコール性肝炎と徐々にその病態は悪化していきますが、「沈黙の臓器」といわれている肝臓はなかなか悲鳴をあげることはありません。そして最終段階であるアルコール性肝硬変になったときにようやく自覚症状が現れるようになります。アルコール性肝炎でも症状が現れることはあるのですが、症状が出ているときは大抵体内にアルコールが入っている状態なので、なかなか気づくことができないのです。

しかし、肝硬変になっても最初のうちはそれほど症状が強くないのが特徴。肝臓は予備能力の高い臓器で、肝硬変になって肝細胞が壊れても、残った細胞がカバーするため症状が出ない期間が長く続きます。この症状のない期間を「代償期」と呼びますが、自覚症状があったとしても肝臓の病気だとは思わないことが多いです。食欲不振や、全身倦怠感などを覚え、肝臓とは全く関係ない症状として診断を受け、検査の結果アルコール性肝硬変だと診断されるのはよくあることなのです。

症状を自覚しはじめると、肝臓の予備能力に限界がきている証拠です。アルコール性肝硬変の病態が進行することで、次々とあらゆる症状が現れるようになります。肝硬変の症状は大きくわけて2タイプ。まずは、肝細胞機能低下の症状である、黄疸、肝性脳症、出血傾向など。そして、血流障害から起こる門脈、むくみ、食道静脈瘤、腹水などが代表的な症状です。また、月経異常、女性化乳房(男性の乳房が大きくなること)、手掌紅斑などの症状が見られることもあります。こういった症状が現れる時期のことを「非代償期」と呼びます。

アルコール性肝硬変と診断されたら、とにかくすぐに断酒することが必要です。禁酒するとしないとでは5年後の生存率が大幅に異なりますから、ご自分の意志を強くもち、家族に協力してもらいながら断酒を徹底するようにしましょう

アルコール性肝硬変末期症状について

アルコールを飲みすぎることで引き起こされる肝臓の疾患ですが、脂肪肝、アルコール性肝炎などを経て、最終的に行きついてしまうのが、アルコール性肝硬変です。肝硬変になってからようやく自覚症状が現れる人が多いほど、肝臓は沈黙の臓器です。そして症状が現れ始めた時がすでに末期であるということも、少なくはありません。

症状としては、黄疸、むくみ、肝性脳症、消化管出血、クモ状血管腫、女性化乳房、月経異常などがあげられますが、アルコール性肝硬変末期症状になると、肝不全となります。肝不全とはつまり、肝臓の機能が大幅に低下した状態のこと。上記の症状が現れるほか、急性肝不全では健康だった人が数日間で死にそうな状態になることがあります

慢性肝不全では、静脈瘤からの出血という、大きな症状が起こるまでに症状がゆるやかに悪化していくため発見が遅れることもあるでしょう。また、小さな切り傷やかすり傷、普段はすぐに止まるような鼻血など、わずかな出血ですむ出血が自然に止まらなくなり、医師でさえも出血を抑えることが困難なこともあります

また、アルコール性肝硬変末期症状からさらに病態が悪化すると、肝臓がんに進行します。肝臓がんで手術を受けなかった場合や、肝不全を治療せずに放置した場合、最終的には死に至ります。いったん肝硬変になってしまうと、もう健康な肝臓に戻すことはできませんが、アルコール性の肝硬変は、禁酒よって腹水の減少など症状を和らげる効果が確認されています。アルコール性肝硬変末期症状の辛さを味わう前に、早期発見・早期治療をし、断酒をして病態を和らげるよう心がけましょう。

アルコール性肝硬変の危険がある飲酒量とは

日本の肝臓の専門家によると、日本酒に換算して毎日5合以上飲む方で、10年以上続けて飲酒した場合はアルコール性肝硬変になる可能性が極めて高いという結論が出ています。アルコール性肝硬変に進展しなくても、日本酒に換算して3合以上を5年以上続けて飲むとアルコール性脂肪肝になり、更に10年以上飲み続けていると肝硬変に進行してしまうでしょう。

以前は、欧米に比べると日本人が摂取するアルコール量は少ないといわれていましたが、1994年の国税庁課税部酒税課の発表では、日本の人口ひとり当たりの年間飲酒量は、純アルコール量で6.6リットルに達すると発表されています。これを成人ひとり当たりの年間飲酒量に換算すると、その量は8.7リットルになります。これは350mlの缶ビールに換算すると、なんと500本という量になります。しかし毎日飲んでいる割合は、男性では30〜40%、女性では5〜10%と報告されているので、毎日飲んでいる方は確実に平均をはるかに上回る量を摂取しているといえます。

「毎日飲んでいるけどそれほど飲んでいないはず」と思っている方はいませんか?ご自分できちんと管理していないと、飲酒量は意外にもかなり多くなっているはずです。最近は女性の飲酒者もかなり増えてきましたが、女性は男性に比べてアルコールの障害を受けやすく、男性の2/3程度の飲酒量で肝障害を起こすといわれています。肝臓障害を引き起こさないように、または悪化させないためにも、完全に禁酒をするか、週に2回は飲酒しない日を作るなど、対策をたてることをおすすめします。

アルコール性肝硬変患者が酒を飲み続けるとどうなるのか?

アルコールを長年に渡り飲み続けると、脂肪肝になり、そしてアルコール性肝炎などを起こし、最終的に行きつくのがアルコール性肝硬変です。肝臓が炎症を繰り返すことで、肝臓の線維化が進んで肝臓が硬くなり、正常な働きができなくなってしまいます。肝硬変になってしまうと、どんな治療を行ってももう肝臓は健康な状態には戻らないといわれています。では、アルコール性肝硬変患者が酒を飲み続けると、どうなるのでしょうか?

まずは、あらゆる症状が体に現れるようになります。肝臓は、予備能力の高い臓器で、かなり肝細胞が壊れたとしても残った肝細胞がカバーして症状のない時期が長く続くのですが、肝硬変にまで進行するとその予備能力にも限界が現れるようになり、肝細胞機能低下の症状や、肝臓の血流障害にともなう症状が出始めます。

代表的な症状に、黄疸、腹水などがあり、肝性脳症や出血傾向、食道静脈瘤、クモ状血管腫などがあります。あらゆる症状に苦しめられても酒を飲み続ける方も意外と多いといいます。酒を飲み続けて5年後に生存している確率は30%ですが、お酒をやめれば80%にアップします。お酒を飲み続けた場合、肝不全になって命を落とすことも多いのですが、肝臓がんに発展することもあります

より怖いのは、C型などのウィルス性肝炎と合併した場合
ウィルス性肝炎では重要な治療法としてインターフェロンがありますが、飲酒をしているとインターフェロンが効きにくく、アルコールがウィルスによる肝臓の障害を進展させてしまいます。肝炎ウィルスは発がん因子となり、アルコールがそれを促進して肝臓がんを招く結果となります。

肝臓がんの死亡者数は、肺、胃、大腸に次ぐ第4位だといいます。肝臓がんのステージは1〜4で、手術が可能なのはギリギリ3期まで。肝臓ががんのために機能しなくなっている4期に突入してしまうと、手術は難しいといえます。肝硬変になってもお酒を飲み続けるというのは「死を待つだけ」といえるのではないでしょうか。早期発見して、早期治療。そしてとにもかくにも、断酒が何よりも大切です。

アルコール性肝硬変の治療法

アルコール性肝硬変とは、アルコールを長期に渡り大量に飲み続けることで発生する恐れのある肝臓の病気のことです。アルコール肝硬変の治療法として、唯一の方法が「禁酒」だといわれています。肝硬変だと診断されても、お酒をやめられない人はやめられずに飲み続けてしまうことがあるのですが、その場合は5年後まで生きられる可能性は30%程度。しかし、肝硬変だと診断されてからも禁酒をすれば、5年後まで生きられる可能性は80%以上にアップします。

一度肝硬変になってしまうと、もう元の健康な肝臓に戻すことは不可能です。一番重要なのは、早期発見と早期治療ですが、症状が悪化して肝臓がんにならないよう定期的に検査などを受けておくといいでしょう。肝臓の保護作用を期待して、ウルソデオキシコール酸服用治療など、薬剤による治療も行われますが、飲酒を継続している際の効果は不明。その他症状が出ている場合は、その症状に対応した対症治療が重要となります。腹水はよく見られる症状ですが、適切な治療さえすれば腹水の症状を抑えることは可能です。

また、アルコール性肝硬変の方にとって、一番怖いのが「アルコール依存症」です。アルコールをやめられない場合は、「アルコール依存症」の恐れがあるので依存症から脱却するための治療を行います。アルコール依存症を治すためには、専門の病院に入院するのが確実です。自宅にいればいつでもアルコールを手に入れることができるため、自分に甘えが出てしまい、誘惑に負けてお酒を飲んでしまうでしょう。これが、アルコール依存症というものです。

専門の病院に頼るほか、「断酒会」などの自助グループに参加することも効果的な治療法でしょう。自助グループでは、同じようにアルコール依存症に苦しんでいる人の話を聞いたり、アルコール依存症を治すことができた人の体験談を聞いたりすることで、その中から希望を見出し改善法を探ることができます。アルコール性肝硬変の治療は、何よりも自分の意志の強さ、そして家族のサポートが必要ですから、力を合わせて治療に臨みましょう。


しじみ習慣で肝臓を労わろう