アルコール性肝炎と診断された場合の治療期間

以前はそれほど患者さんが多くなかった病気でしたが、アルコール摂取量が増えたことにより「アルコール性肝炎」と診断される方も急増してきました。アルコール性肝炎とは、長期にわたってお酒を飲み続けてきた人が、限度を超えて急に大量の飲酒をしたときなどに現れる疾患です。大量にアルコールを摂取することによって肝細胞がダメージを受けることにより引き起こされると考えられており、肝細胞広域に壊死が見られるのが特徴です。

アルコール性肝炎は、アルコールが大きな原因であるため、お酒をやめることにより改善していくことができる病態です。しかし、アルコール性肝炎と診断されてもさらに大量の飲酒を続けると、アルコール性肝硬変に進展する危険性があるので、速やかに禁酒を行いましょう。禁酒できない場合は、「心の病気」としてとらえる医師も増えています。

病態によって治療方針は若干異なりますが、どのような場合であっても、基本の治療は禁酒が一番です。アルコール依存症として入院する場合も多く、その場合はアルコール離脱症候群の治療が必要となります。禁酒後7〜8時間目からスタートし、20時間目がピークとなる不安感などの精神症状を主とする「早期症候群」と、振戦せん妄を特徴とする「後期症候群」があります。早期の場合は、ベンゾジアゼピン系薬剤を使用、後期の場合はベンゾジアゼピン系薬剤を使用するほか、幻覚を伴うこともあるので隔離が必要となることもあります。治療期間は病態によって異なり、初期には禁酒と食事療法とみで症状が改善することも少なくありません。病態が進行してしまうとそれだけ治療期間が長引くと思っておいて間違いないでしょう。

肝臓の病気はほぼ自覚症状がないといわれていますが、全身倦怠感などを感じることがあります。重症になってくると、アルコール性肝炎や肝硬変が重症化すると、腹水がたまる、黄疸が出る、意識障害をきたすなどといった症状があらわれ、最悪の場合に死亡することも。アルコール性肝炎は、治療で症状が軽快しても飲酒習慣が続けば必ず再発するといっても過言ではありません。禁酒できる日は禁酒をするなど予防を徹底し、異変を感じたら早め早めの検査・治療を心がけましょう。

アルコール性肝炎の治療法まとめ

アルコール性肝炎とは、アルコールによって引き起こされるアルコール性肝臓障害のひとつで、長期間にわたってお酒を飲み続けてきた人が、限度を超えて大量のお酒を飲んだときに引き起こす恐れがある病気のことで血液検査などからアルコール性肝炎が判明した場合は、医師の指示に従い治療を始めます

治療法のひとつとして、必要不可欠なのが禁酒です。初期症状の場合は、禁酒をすることによって軽快する可能性が非常に高いです。日頃からお酒を飲んでいる方は、時には禁酒しようと思ったことがあったかもしれません。それでもできない場合は、「ここで禁酒しなかったら一生お酒が飲めない」と自分を戒め、趣味をつくるなどして禁酒しましょう

しかし、どんなに頑張っても自分では禁酒できないこともあり、アルコール依存症の治療も行われるケースが多いです。アルコール依存症の方は、禁酒をするとイライラし、不安感を覚え、手が震え不眠に陥るといった症状が現れるので、お酒を飲まなくなったときに初めて気づくこともあるかもしれません。治療法としては、多くの場合入院治療が選択されます。カウンセリングを受けながら断酒し、リハビリをしていきます

アルコール性肝炎の治療としては、ウルソデオキシコール酸内服治療が行われることがあります。これは肝臓の保護作用を期待するものですが、飲酒を継続した場合の効果は不明です。症状が重症な場合は、劇症肝炎治療に準じた治療が行われます。治療法は、禁酒以外に効果的なものはないと思っておいたほうがいいでしょう。アルコール性肝炎が進行し、肝硬変になった場合は、飲酒を続けると5年後まで生きられる確率は30%だといわれていますが、禁酒をすることで80%までアップします。

普段の生活がアルコール性肝炎の進行に大きく関わるため、こまめに病院に通い、担当の医師とよく相談しながら治療計画をたてていきましょう。アルコール性肝炎とまではいかずとも、毎日お酒を飲んでいる方は、予防のためにも週に2日は休肝日をもうけること、つまみ類は低カロリーなものにかえるといった方法を実践しましょう。

アルコール性肝炎の治療薬はある?

アルコール肝炎とはアルコールによって引き起こされる肝臓障害のひとつで、長期にわたってアルコールを摂取してきた人に発症しやすい病気です。アルコール性肝炎に治療法としては、一番大切なのが「禁酒」をすることなのですが、治療薬を使用することもあります。用いられる可能性のある治療薬をご紹介します。


ベンゾジアゼピン系薬剤
アルコール解毒によく用いられる薬物です。禁酒出来ない人に用いられる薬で、早期症候群には十分量から始めて減らしていく方法が一般的です。後期症候群の場合もこれで対処します。

ウルソデオキシコール酸
ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸製剤と呼ばれる種類の薬で、肝臓の機能が弱っている状態を改善するために用いられます。ウルソデオキシコール酸を投与すると、肝細胞への障害作用を軽減することができ、炎症を抑える作用もあるといわれています。しかし、ウルソデオキシコール酸はあくまでも肝臓を保護するための薬であり、飲酒を続けているときに服用した場合の効果は不明とされています。

プロへパール
肝臓を保護する薬です。主要成分は牛の肝臓を加水分解した「肝水解物」で、その他肝臓に良いとされるビタミンやアミノ酸などが配合されています。これらの作用で、肝臓を守って働きを高める効果が期待できます。

副腎皮質ホルモン剤
劇症肝炎の状態では、ステロイドと呼ばれている副腎皮質ホルモン剤を使用します。副腎皮質ホルモンには、炎症を起こす原因物質にはたらきかけて、強力に炎症を抑える抗炎症作用、出血を防ぐ止血作用、病気により加わったストレスに対する抵抗力を増す働きがあります。

グルカゴン
こちらも重症のときに用いられる薬です。グルカゴンとは、膵臓ランゲルハンス島α細胞から血液中に分泌されるホルモンのこと。血糖値が下がってくるとα細胞から血中に分泌され、肝臓細胞がグリコーゲンをブドウ糖に変えて血中に放出する作用を促すため、血糖値を上昇させるホルモンとして知られています。


しじみ習慣で肝臓を労わろう